トロントを拠点に活動するシンガーソングライター、Jonah Yano。幼少期にピアノとギターに親しみ、2016年にバンクーバーからトロントへ移住したことをきっかけに、本格的に音楽活動をスタート。携帯電話で録音した楽曲をオンラインに発表し始めると、トロントのローカル・ミュージックシーンから注目を集めるようになる。
2018年、トロントのデュオ MONEYPHONE との楽曲「On Lock」がアンダーグラウンドヒットを記録。その後、プロデューサー Joseph L’etranger と共に初のソロシングル「Rolex, the Ocean」を発表。EP制作の過程で BADBADNOTGOOD と出会い、以降は重要なコラボレーターとして深い関係を築いていく。
2019年にリリースされたEP『nervous』は、BADBADNOTGOOD をフィーチャーしたタイトル曲を含み、The Fader、Billboard、High Snobiety、NME、KCRW、Exclaim など多数のメディアから高い評価を獲得。Virgil Abloh や Gilles Peterson からも支持を受け、Spotify や Apple Music では数百万回再生を記録している。
2020年に発表されたデビュー・フルアルバム『souvenir』は、ソウルフルでジャンルを横断するボーカルと、極めてパーソナルなリリックが融合した作品。BADBADNOTGOOD、Monsune、Jacques Greene らが参加し、「家族」「別離」「癒し」「過去との和解」といったテーマが丁寧に描かれている。
本作は、1998年に広島で両親が別離し、その後バンクーバーで育った自身のルーツをもとに制作された。父親とは長年ほとんど会うことのない関係が続いていたが、2019年秋、15年ぶりに長門で再会。音楽を通して親子の関係と向き合う中で、父が1990年代に広島で録音していた歌声を楽曲に取り入れた。
アルバムのラストを飾る「shoes」は、父・Tatsuya Muraoka が息子のために買った一足の靴を題材に書いた楽曲で、当時のライブ録音とJonah Yano自身のボーカルが重ね合わされている。
東京のRed Bull Studios、長門のログハウス、トロントのStudio 69、そして自宅で録音された『souvenir』は、個人的な物語でありながら、多くのリスナーの心に響く普遍性を備えた作品だ。Jonah Yanoのこれまでの歩みと表現が結実した、重要な一作となっている。
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